テレビや映画撮影の古刹-天狗の話など ここ長楽寺は時代劇の映画やテレビの撮影に使われており、ビートたけしの映画「座頭市」やNHKの大河ドラマ「武蔵」や「篤姫」の撮影に使われた。この龍明は町村合併前までは八郷町狢内(むじなうち)と呼ばれており、昔は本当に狢(むじな)(タヌキやアナグマ?)が多くいたのであろう。この本堂は県指定文化財となっており、まわりは杉や銀杏などの木々に囲まれ、現在の人工的なもの(電柱、電線、ライトなど)が360度カメラをまわしても一切ない。時代劇の撮影場所に選ばれる理由であろう。寺の奥は山で、人家はまったくない。何故このような立派な(本堂の軒下は立派な彫刻が彫られている)建物がきれいに保存されてきたのであろうか?地元の方々の努力であろう。
映画「座頭市」では本堂の中で賭博のシーンを撮影し、「武蔵」では本堂前で殺陣が行なわれた。「篤姫」では第2話の尚五郎が西郷や大久保たちに剣術の試合を挑む場面が撮影された。地元の剣道を学ぶ少年剣士達も参加して剣道の稽古の場面などが撮られたとのこと。
(写真撮影:2008年7月6日)
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長楽寺は八郷町史によると「薬王山長楽寺、始め滝本本坊といっていたが、慶長十年(1614)長楽寺と改めた。仁王門は約二間半四方で、仁王尊はよく保存されている。本尊は薬師如来で十二神将も安置されている。平田篤胤の「仙境異聞」に出てくる空中飛行の杉山大増正の寺ともいわれる。薬師堂そばには薬師井戸、天狗のたもと石、天狗腰掛石、大乗妙典、六十六部日本廻国塔(宝暦十年、1760)、四国巡礼塔(安永七年、1778)などがみられる。」と記載されています。創建は天長元年(824年)四月とのこと。仙境異聞の中で天狗の住む岩間山について「峰に愛宕宮がある。足尾山、加波山、吾国山などが並び聳える笠間の近所だ。岩間山の十三天狗、筑波山に三十六天狗、加波山に四十八天狗、日光山には数万の天狗が棲むといわれる。岩間山はもともと十二天狗だったのだが、四、五十年程前に筑波山の麓にある狢打村に長楽寺という真言僧がいた。空に向かって常に仏道に意を馳せていたところ、ある日、釈迦如来が迎えに現れた。本物の仏と思って連れられていくと、釈迦如来と思ったのは岩間山の天狗だった。以来、長楽寺を加えて十三天狗となったという。我が師はそのひとりであり、名を杉山そうしょうという」となっており、長楽寺の和尚が天狗となって岩間山の天狗に加わったそうです。天狗の話は多く残されているようなので調べて見るのも面白そうです。
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