寺号:春林山平福寺 宗派:曹洞宗 本尊:如意輪観音
常陸大掾氏の菩提寺として知られる。ここ平福寺は府中酒造のすぐ隣に位置し富田北向観音の裏手になる。敷地内は大掾氏の五輪塔が入ったすぐ正面右側にあった。まわりは一般の墓所でもあり、茨城廃寺の礎石は確認できなかった。茨城(ばらき)廃寺の礎石は寺のあったとされる貝地近くと、清涼寺およびここの3箇所にある。大掾氏の五輪塔は思っていたよりもかなり小さなものであった。
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天正18年(1590)、佐竹軍勢に攻められた府中城最後の城主となった大掾清幹は、ようやく城が炎上する中を、この平福寺まで落ち延びた。しかし佐竹義宣軍勢に周りを囲まれて万策尽き、府中城を佐竹側に引渡し、平福寺内で自害した。平国香(良望)が常陸国の大掾職について(平安時代中期)より世襲的に大掾職を継承して約680年にわたって続いてきた常陸大掾平氏は滅亡したのである。(注:府中の大掾氏は馬場資幹が1193年に常陸大掾についてからの約400年間である) |