▼常春寺▼ 石岡市三村3114番地

歴史の里石岡ロマン紀行


 常春寺(じょうしゅんじ)は三村城の城主常春(つねはる)公が1571年頃に創建されたとされる。場所は三村城址(現三村小学校)の入口のふもとにひっそりと建っている。その数年址の1573年には常春は小田氏の攻撃で城は落城し、25歳で戦死している。現在寺には常春の墓はなく、寺から数百メートル東の常磐線の線路近くにひっそりと木々に囲まれた中に五輪塔が建っている。常春は関東平氏の本流である大掾家の次男であるが、当時小田氏、佐竹氏、江戸氏、薗部氏などに囲まれて孤立状態に近い大掾氏の南側の防衛のための築城であったと見られるが、数年しか保てなかった常春公の思いが残されているように感じる寺である。山門は1751-64(宝暦期)に建てられたものとのこと。

 カヤの巨木(幹周約5.3m)

 樹齢約500年といわれるカヤの木である。伝承によると、境内のカヤの木は創建以前よりあったとされる。

(2007.8.26 撮影)

 常春寺は、三村城主平常春の開基(1548年〜1573年)密雙永周の開山と伝えられる。曹洞宗万隆山常春寺が正式名である。同寺には、常春の位牌「萬隆院却外常春禅門」をはじめ、常春使用と伝えられる軍配団扇などが残されている。なお「常春」は位牌に「常春禅門」と見えることから、俗名ではなく法号と考えられる。

石岡の歴史
石岡市史編さん委員会編

常春寺の本堂は1682年(天和2年)に建立された禅宗方丈形式とのこと。