平成17年3月の「金剛院十一面観世音座像修復記念」
金剛院の十一面観世音座像は、もと田島台にあった天台宗廻向山三面寺(廃寺)の本尊である。この像は、檜材寄木造で、像高113cm。本躯部は鎌倉末期から南北朝の作、両腕・天衣・膝前などは江戸中期、台座・光背は江戸末期の補修と思われる。
石岡市より昭和58年(1983年)十月に市指定有形文化財に指定された。十一面観世音座像は、田島区民の信仰の対象として、季節毎の祭事に大切に取り扱われてきたが、江戸期以来、本格的な修復を行っていないことから、漆箔及び彩色が剥落・退色し、継ぎ目が緩み離れ、全体にわたり損傷が甚だしい状態となっていた。 そこで、将来へ地域の文化と信仰を引継いでいくためには、修復が必要と田島区民の意見が一致した。 修復は、全区民からの浄財をを頂戴し、さらに石岡市教育委員会からの助成金・ご指導を受け実現した。 今、鮮やかに修復なった十一面観世音座像ならびに厨子を拝し、先祖から伝承された信仰心と文化財を次の世代に引き継ぐ責任を改めて深く感じているところである。
平成17年3月吉日 田島区一同
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