▼百体磨崖仏(まがいぶつ)▼ かすみがうら市上志筑

歴史の里石岡ロマン紀行


野仏と磨崖仏

志筑領地のうち上志筑の西側に農林省の森林総合研究所の気持ちのよい森林地帯があり、その奥に標高220mの閑居山(かんきょざん)があり、古くは志筑山と呼ばれていた山があります。この山の中腹に花崗岩に仏像を彫った百体磨崖仏があります。麓から数百メートルの山道を登るのですが、標識はしっかりしていますが途中に車が乗り捨てられていたり、整備が整っているとは余りいえない道です。山の頂上からの景色は良く、茨城百景に指定されています。(八郷地区では関東の清水寺と呼ばれる西光院も指定されています)。彫刻は薄彫りのためあまり判別が付きませんが、かなり多くの仏像が(およそ百体)彫られています。彫られた時期も三時代ほどに分かれるようです。麓の森林試験場は色々な樹木(主に落葉樹)が一定間隔に植えられており気持ちのよい空間となっています。近くを関東ふれあいの道として整備も進んでいますので一度天気の良い日にお出かけ下さい。

(写真撮影:2008年2月11日)

現地の説明立て札

この磨崖仏は、俗に百体観音と呼ばれ、その昔、山麓に弘法大師草創と伝えられる志筑山惣持院願成寺(願成寺跡は農林水産省林業試験場跡地の中にあり、一部堀跡が残っている。)があり、寺中興の僧乗海が手彫りした鎌倉時代の作といわれている。山の中腹に突き出した四メートル四方の花崗岩の表面に百個余りの仏像を線刻薄肉彫で刻んでいる。県下でも珍しいものとされており、昭和38年8月茨城県の文化財に指定されている。 またこの山は、古くは志筑山と称して古歌によく詠まれたところで、眺望もよいので茨城百景の一つに数えられている町の名所である。

 平成11年 千代田町教育委員会

あちこちの岩に仏像が彫られています。



  多くの仏像は
上下2段に彫られています。

 

磨崖仏へ登る山道の途中には多くの野仏が祭られていますが、その多くが頭部が折られて無くなっており無残な姿をさらしているのは残念です。

志筑山を閑居山と呼ぶようになったのは弘法大師(空海)が霊場として中腹の洞窟に閑居したことから名前がついたと言われています。願成寺(がんじょうじ)が昔麓にあったとされていますが、弘法大師所縁の願成寺は全国に数多く存在します。